戦争は、一つ一つの戦場で起こる戦闘の集まりを言います。この一つ一つの戦闘をどう戦うかについて、その戦い方を事前に決めた計画を戦術と呼びます。例えば、何時何分から右側の陣地に隠れている兵士たちは、敵の左側に集まっている兵士の攻撃を始める。その後、5分経過した時、中央と左側の陣地に隠れている兵士たちが、右側からの攻撃に対する反撃に一生懸命な敵に対して、手薄な右手からの総攻撃を開始して、大きな打撃を与え、敵に向かって前進するなどです。そのような戦術には、この戦場で、このようなことが起きた場合には、このように対応するという考えも含めます。例えば、敵兵の数が予想よりも多いことが分かったら、その戦闘を続けずに退却するなどの計画も含みます。

クラウゼヴィッツ、「戦争論」(1968年)、岩波文庫